7月、ドミトリー沖縄の屋上物語。
天の群星(むりぶし)が☆きらめく☆満月の夜。
ドラゴンフルーツのつぼみが一つ、また一つと静かに開いていった。
純白の美しい大きな花だ。
まるで宇宙を思わせるような、いにしえからの時がゆっくり流れる幻想的な世界。
そのまま吸い込まれそうだ。
あの強面(こわおもて)のとげとげしいサボテンの木から出てくるとはとても思えない気高い花。
ウエディングドレスの花嫁がブーケとして持っても麗しく
様になる。
美しく見事な花。
そ〜っと触れても棘が刺さる、注意深く用心していても
棘に見つかってしまう。
それこそ間違えて触ってしまったら最後。
”アガッ”
血が滲む。
痛みに涙も滲み出るほど。
美しいものには棘があるというがまさにその通り。
バラだけの特権ではないようだ。
しかしそれは人間の競い合う美ではなく、神の創造の癒しの美なのである。
一個一個、個性のある神の作品なのだ。そうなのだ。
盆栽好きの父が与義公園の植木市で買った小さなサボテン。
プランターに植えられたままベランダの隅に無造作に置かれていた。
小さくともトゲトゲが危ないので屋上に移動したら、
いつの間にか屋根に這い上がり青く大きく成長していた。
あれから17年。
えっ!!17年も経ったの!?
感無量である。
次は果実の実りに大いに期待する。
神の祝福は永遠に続くのだ。と・・。
(つづく)
ドミトリー沖縄
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